『nobiのAppTalk』iPhonegraphyへの招待: iPhoneは史上最強のデジタルカメラ

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Tokyo Tower & the moon

iPhoneの革命は、「本質主義の革命」だ。

これまでのデジタルカメラよりも圧倒的に撮る枚数も増えるし、撮った写真を後から見返す回数も増える。

いや、自分でみるだけでなく、世界中の人達と共有し楽しみ、写真を通した交流を通して、自然と腕も上達していく。

今、カメラ好きな人ならiPhoneを触らない手はない。

以下で、何故かを紹介しよう。

1. iPhonegraphyというプチ社会現象

「iPhonegrapher」という言葉を聞いたことがあるだろうか。iPhoneで写真を撮るカメラマンのことだ。

先日、バルセロナで、世界のトップiPhonegrapher 3人の写真を展示するグループ展が行われたが、そこに選ばれた1人は筆者の友人、日本人の三井公一さんだ。

iPhoneで撮影した「iPhonegrapher」(雷鳥社)という写真集も出していれば、「sasurau」というiPhoneで撮った写真だけを掲載している写真ブログも持っている。

一度、取材のときA4ほどの紙に印刷した作品をみせてもらった。きれいなので、彼の好きなニコンのカメラで撮ったのだろうと思っていたら、なんと300万画素のiPhone 3GSで撮った写真と聞かされて驚いた。写真は画素ではなく、被写体や撮り方なのだと痛感した。

彼に言わせると300万画素の「iPhone 3GSでも、画素数こそ少ないモノの、ノイズの入り方などが非常にフィルムカメラなどに近く破綻が無く安心して撮れる」と言う。

彼ほどのプロでなくても、iPhoneで写真を撮って楽しんでいる人は大勢いる。

2009年の夏、原宿のデザインフェスタという貸しギャラリーにて「皆でiPhoneで撮った写真を持ち寄って展覧会をしよう」という細井研作さんの呼びかけで第1回のiPhoneグループ写真展「iPhone x CameraTalk Vol.1」が開催された。イベントはギャラリーに入りきらないほどの人が集まる大盛況ぶりで、その後、会場を変えながら既にVol.4まで開かれている。最近ではその流れをくむ動画のイベント「iPhone 3分映画祭」も開催された。

iPhoneの写真が多くの人々の日常を変えつつある。

 

2. 1台で何百種類ものカメラが楽しめる

そんなiPhone写真を楽しくしている最大のポイントは数え切れないほどのカメラAppsが揃っていることだ

(写真管理のAppsもあわせると、現在、6000本以上あるようだ)。

街の風景をミニチュアのように見せる写真でANAの機内誌なんかの連載でもお馴染みの本城直季さんという写真家がいるが、彼と同じようなミニチュア写真が撮れるカメラのAppもある[TiltShiftGen、他]。またロシア製のコンパクトカメラ「Lomo」や中国製の「HOLGA」といったトイカメラ風に撮れるモノもある[ToyCamera、他多数]。一眼レフ風に背景をボカして撮れるカメラもある[一眼トイカメラ、他多数]。

 

カメラAppsの開発者の中でも、もっとも有名な1人が深津 貴之 (fladdict)氏。彼のつくったカメラAppsのいくつかは日本はもちろん、アメリカのTIME誌で「ママになったら真っ先に買うiPhone Apps」特集の筆頭で紹介されていたり[連写カメラQuadCamera]、テレビでも取り上げられたりと世界的な人気者になっている。

そんな彼がカメラ用Appsを手掛けるようになったきっかけが面白い。

iPhone 3Gなど初期のiPhoneは200万画素と、日本の携帯電話と比べると圧倒的に画素数が少なかった。

しかし、深津さんは、その画素数の少なさを「逆に強みにできることがあるんじゃないか」と考えた。

そうしてつくったのが、そもそも写真の画質的には高精細でないけれど、特徴的な仕上がり色で印象に残るLOMOやHOLGAといったトイカメラを再現してしまうカメラApp、その名も「ToyCamera」だった−−その後のトイカメラAppブームの火付け役となった名作だ。

現在のiPhone 4は500万画素とかなり高画質になり、普通に写真を撮っただけだと本物のデジカメとあまり変わらないが、同じ写真をこうしたトイカメラAppsなどで撮ると、ただのなんでもない日常風景に妙に風情とか色気や味わいがにじみ出てきて印象に残る。

写真で本当に大事なのは、実は味わいだったり印象の方と考える人にとって、「高画素化」は、実はあまり関係ない話なのかも知れない。

 

photo.jpgToy Cameraで撮影

 

さて、iPhoneの数千本のカメラAppsには便利なモノや変わり種も多い。

食べ物の写真がきれいに撮れるカメラApp[美味カメラ]もあれば、美肌に撮れるカメラ[Silky Skin Camera、他]もある。逆行でも建物ときれいな空が同時にちゃんと撮れるHDRという撮影法を採用したカメラ[Pro HDR、他多数。iPhone 4では標準のカメラ機能もある程度のHDR撮影をサポート]、シャッターが切れる直前にネコの鳴き声がしてネコを振り返らせることができるネコ撮り専用カメラ[ネコカメラ、同じ原理の犬カメラ赤ちゃんカメラもある]もある。

人物の顔に黒目線を入れてくれるカメラ[黒目線カメラ]、顔認識技術で写っている人の顔をすべてパンダに変えてしまうカメラ[ぱんだら。]、撮った写真を雑誌の表紙風に仕上げてくれるカメラ[雑誌カメラ]、街の風景が水没したかのように撮れるカメラ…これでもまだまだ氷山の一角の上に転がっている氷のかけらのようなもので、おそらくiPhone以前には、ほとんどの人が想像すらしていなかったようなカメラAppsが豊富に揃っている。

最近、いろいろなデジタルカメラが「〜〜モード」という撮影モードを増やしてきたが、さすがに1000を超えるモードを備えたカメラはないだろうし、あったとしても選ぶのが大変だ。

ところがiPhoneの撮影方法は、現在の数千種類から、さらに日々増え続けており、しかも、ホーム画面で見つからなくても検索して、簡単に呼び出すことができる。もはや、勝負になっていないのだ。

 

3.  「撮る、いじる、共有する」で写真の楽しみが広がる

前項のカメラAppsの紹介だけでも「iPhonegraphy」の魅力を感じる人が多いかも知れないが、ここまではiPhonegraphyの魅力の半分くらいに過ぎない。

もう半分の魅力は撮った写真をすぐにTwitterやFlickr、Facebookといったネットのサービス(ソーシャルメディア)に投稿して、世界中の人々と共有することだ。

これは今、私が言葉で説明した印象と、実際に体験してもらった印象はぜんぜん違うはずだ。

まだ、写真共有を体験したことがない人は、ぜひともものは試しで共有してみて欲しい。

投稿した写真にすぐに「いいね!」とか「キレイ!」といった反応が返ってくると、それだけで撮るモチベーションが変わってくる。

これはiPhone以前だが、せっかく1週間、サンフランシスコにいるのに1日がかりのカンファレンスと夜の原稿書きでホテルと会場の200mほどの直線距離を往復するだけのつまらない5日間を過ごしたことがある。

でも、その200mにある風景を、毎日、違うアングル、違う視点で写真を撮って撮影してはFlickrを使って公開してみたところ、いろいろな感想やアドバイスなんかももらって、その1週間だけでかなり写真が上達した気がした。

当時はホテルに帰ってから、

  1. デジタルカメラからSDカードを抜く
  2. パソコンにSDカードリーダーを接続
  3. カードリーダーにSDカードを差し込む
  4. SDカードが画面上に現れるのを待つ
  5. 撮影した写真をSDカードからパソコンのハードディスクにコピー
  6. その中からお気に入りの写真を選ぶ
  7. WebブラウザでFlickrのページを開き、アップロードというボタンをクリック
  8. 選択画面であらかじめ選定した写真を選び直す
  9. アップロードが完了するのを待ってから写真のタイトルなどを入力する
  10. さらにアップロードしたい写真があれば7から繰り返し

という、今、考えると信じられないような非常に面倒なプロセスを取っていた。

今は同じことをどうやっているか?

  1. Twitter for iPhoneでカメラアイコンをタップ
  2. 写真を撮る
  3. つぶやく

これで写真入りのつぶやきができてしまう。あきれるほど簡単だ。だから、きれいな景色とかをみると、ついついつぶやきまくってしまう。

でも、ただのキレイな風景写真では、誰がとっても同じ風景にしかならないので、その後、ここにワンステップいれるようになった。

  1. お気に入りカメラAppで写真を撮る
  2. Twitter for iPhoneを起動する
  3. Twitter for iPhoneで撮った写真を選択
  4. つぶやく

 

しかし、最近、これがさらに変わりつつある。

写真版Twitterとして、人気が急上昇中の「Instagram」というAppが登場したからだ。

Apple Store Ginza Theater

このAppを使うと写真の撮影、加工、そしてアップロードの一連の作業がすべてAppの切り替え無しで、できてしまうのだ。

しかも、撮った写真がスクエアフォーマットという特徴的な「正方形」のフォーマットになるのもなんだか味わい深いし、トイカメラ風の加工用エフェクトもかなり豊富に用意されている。

Instagramで撮った写真はTwitterやFacebookに投稿することも出来れば、iPhonegrapherの三井公一さんも使い、いつの間にかiPhonegrapherの定番となったPosterousという形式のブログにも投稿できる。

さらにはGPSを使って写真を撮影した場所を検出し、撮影地の情報を追加することもできる。

超簡単なのに、いたれりつくせりだ。

おまけに、このInstagramでは、世界中の写真好きが、24時間常にきれいな写真を投稿しまくっているので、それを見ているだけでもかなり楽しく元気になる。

自分が投稿した写真も、うまく撮れると、見た人がすぐに「いいね!」というサインを送ってくれ、人気が出てくれば世界中の人が見ているPopularというコーナーにも表示されるようになる。

 

Twitterというと、言葉を通してのコミュニケーションが中心だが、このInstagramは写真を通しての、もう少し感覚的で軽い、それでいて、とってもきれいなコミュニケーションができることが大きな人気を集めている。

ちなみに、私もInstagramを始めてから、このAppで撮ったお気に入り写真を、こちらのPosterousにまとめている: 「nobi’s posterous

4. NobiのオススメApps 8選

例によって、今回もかなり長い記事になってしまい、Appsもたくさん紹介してしまった。

情報が詰まりすぎてわけがわからなくなってしまっている人も多いだろう。

そこで、最後にプロカメラマンでも何でもないが、筆者が日常使いしているiPhoneカメラAppsを8つ厳選して紹介しよう。

 

1.標準カメラ:

Appを紹介するといっておいていきなりフェイントだが、やはり、なんだかんだいって標準のカメラはよくできている。iPhone 4では簡単なHDR(後述)撮影機能も搭載されており、いざという時に使ってしまうのは標準のカメラなので、そのことを忘れないように1番目に選ばせてもらった。

 

 

 

 

 

2.Instagram

上で紹介したばかりだが、やはり、今やもっともたくさん写真を撮影しているのは、このInstagramだ。これまでにfotologやFlickrといったサービスで、写真共有の楽しみは重々知っていたつもりだが、Instagramは、そうした楽しみを凝縮して完成させたイメージがある。

 

 

 

 

 

 

 

 

3.TiltShiftGen

本城直季エフェクトとも呼ばれるチルトシフトレンズ撮影が楽しめる。実際には一度、写真を撮ってから、その写真のどこに焦点を当てるか、どの程度ボケさせるかを、画面の上で確認しながら試すことが出来る。ミニチュア風写真の撮影だけでなく、単にボカしを利かせたいだけの時にも使っている。

Twitter投稿機能もあり、このカメラでつぶやいた写真には自動的に#TiltShiftGenのハッシュタグが加わるので世界中のチルトシフト写真を楽しめる -> こちら

 

 

 

 

 

 

4.Panorama

Tokyo nightscape

六本木ヒルズの屋上から見渡す東京の夜景、目の前いっぱいに広がる水平線。そうした広大な景色を撮りたいときに役立つのがこのPanoramaカメラだ。写真を一枚撮ると、その写真の右端または左端が半透明に表示されるので、そこに実際の景色を重ねるようにして、ちょっとずつずらして広い景色を重ね取りしていく。最終的に1枚の巨大写真に合成してくれる。

 

5.MagicShutter

スローシャッター撮影ができるApp。例えば交差点などをこのカメラで撮影すると車が走った軌跡が光のラインとなって撮影される。あらかじめ設定した間隔で自動的に撮影してくれるモード、シャッターボタンを何度も押して重ね取りしていくモードなど、いくつかの撮影モードがある。

 

 

 

[こちらの写真はMagicShutterで撮影した後、Instagramでさらに加工。このような合わせ技もiPhone撮影の楽しみ]

 

 

6.Pro HDR

Clematis no Oka

[iPhone 3GSで撮影]

ここまででも何度か触れてきたがHDRとはハイダイナミック合成と呼ばれる撮影方法だ。きれいな雲と建物などを一緒に撮影しようとすると、空に露出をあわせると建物が黒い影になってしまい。逆に建物に露出をあわせると空が真っ白になってしまう。そんな場合、空に露出をあわせた写真と、建物に露出をあわせた写真を2枚撮影して、それを合成するのがこのHDR手法だ。Pro HDRのAuto HDRというモードを使うと、自動的にもっとも明るい部分に露出をあわせた状態で1枚ともっとも暗い部分に露出をあわせた状態で1枚写真を撮影し、それを合成してくれる 。合成は半自動的で、レバーを使って明るさなどを、ユーザーが調整することも出来るが、これがまたいい。

 

7.プロカメラ

私は被写体を左右対称のアングルから撮るのが好きだが、それをやるためには、どうしても水平がとれないと写真がしまらない。このカメラは他にもいろいろ便利な機能がついているが、何と言ってもこの水平機能が便利で愛用している。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

8.Cross Process

クロスプロセスというのは、写真の現像段階に行う特殊な加工処理のことらしい。あまり、難しいことはわからないが、これで撮ると、なんだかいい感じの写真が撮れる。それだけで十分満足して愛用している。

 

 

 

 

 

デジタル写真の最新の楽しみを知るにはiPhoneが必須

今、デジタル写真の楽しみの最前線を知るには、もはやiPhoneは必須のツールだ(iPod touchでも、ある程度は楽しめるが、フラッシュや基本の画素数、オートフォーカス機能、さらにはいつどこにいても写真をすぐに投稿できる魅力を考えるとiPhone以外の選択肢はない)。

交換できるレンズがないと思ったら、こんなiPhone用のレンズも発売され始めた。

三脚穴がないと思ったら、こんなiPhone用の三脚まで登場している。

防水ケースもあれば、スタビライザーもある。

日本で1年間に売れる携帯電話の総数の2倍のペースで売れているiPhoneでは、すべての欠点がビジネスチャンスになる。だから、どこかの周辺機器メーカーがせっかく思いついたアクセサリーは、既に誰かが思いついて解決してしまっていることが多い。

 

2007年1月、最初のiPhoneを発表したとき、 アップル社のトップ、スティーブ・ジョブズはこう言った。

「時折、革命的な製品が登場してすべてを変えてしまう。そうした製品を1つでもつくれれば幸運なことだが、アップルはこれまでにいくつかそうした製品をつくってきた。」

だが、ことiPhoneに関しては、たった1個の製品で、何度、世界を変えたかわからないほど大きな影響を与えている。

まずは世界中の携帯電話市場に無視できない大きな衝撃を与え、さらにはそれまでパソコン用、携帯電話用、ゲーム機用とバラバラだったソフトウェア産業をすべて吸い込み始めてしまった。

さらには最新の携帯型ゲーム機に無視できない大きな影響を与え、出版業界にも影響を与えた。

さらにファッション業界、医療業界、小売店業界などにも影響を与え始めている。

そんな中で、デジタルカメラの業界も、そうしたiPhoneによって大きな影響を受けた業界の1つであることがわかっていただけたのではないかと思う。

 

今回紹介したApps

厳選の8本

 

  1. 標準カメラ:iPhoneが標準装備(Appの追加は不要)
  2. Instagram – Burbn, Inc.
  3. TiltShift Generator – ミニチュア風写真 – Art & Mobile
  4. Panorama – AIRSHED
  5. Magic Shutter – Anistar Studio
  6. Pro HDR – eyeApps LLC
  7. プロカメラ – daemgen.net
  8. Cross Process – Banana Camera Co.

その他の紹介Apps:

 

PosterousなどでiPhone写真ブログをつけている人、ぜひコメント欄でアドレスを教えて下さい!